世界中で加速するサステナビリティ志向は、ビューティー業界にも大きな波及を及ぼし、ブランドと消費者の双方が「地球にやさしい」「倫理的に調達された」原料を重視するようになった。そうした背景のもと、注目を集めているのが次世代乳化剤「ポリグリセリル-10オレエート」だ。植物由来でありながら高い機能性を兼ね備え、環境配慮型処方の要となる存在である。

ポリグリセリル-10オレエート(CAS登録番号79665-93-3)は、主にヒマワリ、レイシ、ヒマシなどの植物油脂と重合グリセリンから誘導される100%自然由来成分。従来の乳化剤と異なり、製造工程でも苛烈な化学薬剤を極力排除するクリーンプロセスが採用されており、環境負荷の低減に貢献する。また、PEGフリー処方に対応する「PEGフリー乳化剤」であるため、シンプルで安心感のあるラベル表示が可能だ。

O/W型乳化剤として優れた乳化安定性を発揮し、クリーム・ローション・クレンジングオイル・ヘアケア製品など幅広い用途に活用できる。得られるエマルジョンは油脂特有のベタつきを抑え、スムーズで上質なテクスチャーを実現。さらに皮膚コンディショニング効果も併せ持つため、機能性と保湿・保護効果の両立を可能にする。

近年、植物由来の「スキンコンディショナー」やサステナブル原料に対する需要は右肩上がり。ポリグリセリル-10オレエートを処方に取り入れることは、ブランドの環境認証を強化しながら、消費者が求める温和さと高い使用感を満たす戦略的選択となる。環境責任と製品パフォーマンスの両立を目指す企業にとって、「デカグリセリンオレエート」は確実な一手だ。