コカミドプロピルベタイン(CAPB)は、シャンプー・洗顔料などに広く配合される界面活性剤で、優れた泡立ちと低刺激性が魅力だ。しかし、皮膚刺激性や残留不純物をめぐる議論も絶えない。実際の安全性を正確に理解することは、消費者にも製造元にも不可欠である。

米国化粧品成分審査専門家協議会(CIR)はCAPBについて複数回の再評価を実施しており、適切な処方で使用すれば感作性は排除され、化粧品用途において安全であるとの見解を示している。ただし、問題が指摘されるのはCAPBそのものよりも製造過程で混入しやすい副産物、3,3-ジメチルアミノプロピルアミン(DMAPA)やアミドアミンに起因することがほとんどだ。これらの不純物が微量でも残存すると、アレルギー体質の人に湿疹や赤みを引き起こす可能性がある。

このようなリスクを回避するには、純度の高い高品質CAPBを選ぶことが重要となる。GMP準拠工場で厳格な工程管理がなされ、不純物管理数値が明記された原料を使用している製品を選ぶことで、肌トラブルを劇的に減らせる。コカミドプロピルベタインの安全性を気にかける人は、第三者認証取得のブランドや成分由来を詳細に公開するメーカーを優先するとよい。

CAPB全般が肌に優しいとされても、個人差は当然存在する。すすぎ残しや既存の敏感肌が原因で、赤み・かゆみ・軽い刺激を感じるケースがある。特に乾燥肌・アトピー傾向の人は、使用前にパッチテストを行う習慣をつけたい。

使用シーンも留意すべきポイントだ。 すすぎ不要のリーブオン製品(化粧水やクリーム)と、すぐに洗い流すリンスオフ製品(シャンプーやボディソープ)ではCAPB配合濃度の上限値が異なる。リーブオン用途では残留量を抑えるため、一般的に0.3–0.8 %程度の低濃度に調整される。

結論として、CAPBに対する懸念の多くは製造段階の不純物が起因している。高品質なCAPBを採用し、パッチテストを欠かさなければ、ほとんどの人はこのマイルドな界面活性剤の恩恵を安全に享受できる。