パーソナルケア業界は大きな転換期を迎えています。「ナチュラル」「安全」「効果実証済み」を求める消費者の声の高まりを受け、コスメブランドは「ケミカルフリー」を超えた次世代処方へと進化しています。そんな中、清浄表示（Clean Beauty）のトレンドを体現する天然系防腐剤が登場しました。エチルラウロイルアルギネート塩酸塩、通称「LAE」です。LAEは、天然アミノ酸と脂肪酸を出発原料に合成されたカチオン系界面活性剤。幅広い細菌・酵母・カビに対して強力な抗菌力を示し、製品の安定性と肌・環境への安全性を両立させます。

抗菌メカニズムは、微生物細胞膜を選択的に破壊して増殖を抑えるというシンプルな仕組み。添加濃度を守れば刺激性や感作性は極めて低く、敏感肌用処方にも採用しやすい点が魅力です。また、高い生分解性と環境負荷の低さで、サステナブルコスメの要望にも応えます。

幅広い用途が叶えるマルチな価値

  • スキンケア：乳液／クリーム／日焼け止めなどの汚染リスクコントロール
  • ヘアケア：コンディショナー／シャンプーの保存性向上に加え、カチオン性により髪の手触りを滑らかに整える
  • ダメージレスなフケケア：フケ原因菌Malassezia furfurをターゲットに効果を発揮するため、従来の化学成分を使わない抗フケ製品の天然活性剤としても活用可能

規制面でもEU・US・カナダなど主要市場で濃度基準が確立されており、COSMOS や NATRUE といった厳格な基準にも適合。グリーンフォーミュラ化のハードルを大幅に抑えます。

今後、健康志向と環境意識がさらに加速するパーソナルケア市場で、LAEは高い安全性と天然由来という二つの矛先を同時に満たす、今まさに注目必須の保存・機能素材となることは間違いありません。