スキンケアが進化する中、消費者が最も重視するのは「効くけどやさしい」洗浄体験です。界面活性剤(サーファクタント)の選択が商品の肌当たりを決定づけるなか、新世代カルボン酸型アニオン性原料「Sodium Laureth-6 Carboxylate」が、敏感なバリア機能にも配慮した処方設計に注目を集めています。

CAS番号33939-64-9のSodium Laureth-6 Carboxylateは、エトキシ化ラウリルアルコールにカルボン酸基を導入した構造を持ち、従来のアルカリ石けんやSLS系と比べ剥離性が格段に低いという特徴があります。そのマイルドな洗浄感はまるで「泡で優しく包む」ような心地よさを実現し、赤ちゃん用シャンプーからアトピー対応ボディソープまで幅広く採用されています。

さらに優れたのは泡立ちと泡持ち。硬水地域でも崩れにくいクリーミーな泡は、泡で「汚れを絡め取る」という物理的な洗浄感覚を最大限に高めます。pH変動に対する耐性も高く、弱酸性~中性の処方でも安定した使用感をキープできるため、開発自由度が広がります。

油汚れへの高い可溶化力と低脱脂性を両立した点も評価が高く、余分な皮脂だけを選んで取り去り、必要なセラミドやNMF(天然保湿因子)は残す“セレクティブ洗浄”を可能にしました。カチオン性コンディショニング成分や両性界面活性剤との親和性も良好で、1本で保湿ケア成分まで沈着しにくいシャンプーの設計にも最適です。

低温でも速やかに溶解する高溶解性により、常温混合工程での生産効率アップも実現。現在はシャンプー、ボディウォッシュ、フェイスウォッシュ、ハンドソープなど幅広い処方に採用されており、製品ラインナップを「シリーズごとの肌触り差別化」することが容易になっています。

市場が「肌に負担をかけない」方向に急速にシフトするなか、Sodium Laureth-6 Carboxylateは「洗うこと=ストレス」という旧来の概念を覆す次世代マイルドケアの要として、今後の製品開発の切り札になりうる素材といえるでしょう。