ふっくら潤ってうるおいに満ちた理想の肌へ導くため、スキンケア業界で頻繁に引き合いに出されるのが「ヒアルロン酸」と「エクトイン」の二大保湿成分だ。いずれも高い保湿力を持つが、そのメカニズムはまるで違い、期待できる効果も異なる。今回はそれぞれの特徴を詳細に解きほぐし、自分の肌悩みに合わせた選択の糸口を見つける。

ヒアルロン酸:すぐに実感できる即効肌ぷるり
肌表面まで水を運び、1,000倍もの水分を抱えるという吸湿性は業界でも高い評価を受ける。肌表面に水分膜を作り瞬時に弾力を与えるため、乾燥による小ジワを目立たなくする効果が目安しやすい。朝のメイク前のひと吹きでツヤ肌に変貌を遂げたい人にピッタリだ。

エクトイン:細胞を守りながら深部に潤いをチャージ
「エクトイン」は極限環境での微生物保護物質「エクストレモサイト( extremolyte )」の一種。乾燥・紫外線・大気汚染とい外的ストレスから細胞を防御しながら、皮膚バリアを強化してうるおいの蒸散を防ぐ。水分をただ補うだけでなく「逃がさない」「肌を丈夫にする」点に特徴があるため、乾燥敏感肌やコンディションを崩しやすい肌にも重宝される。

併用でさらなる肌力向上も可能
単純に「どちらが優れているか」と問われても、役割が異なるため甲乙はつけにくい。ヒアルロン酸は「水分を届けてすぐぷるぷる」、エクトインは「届けた水分を逃さず肌を守る」。両者を組み合わせることで相乗効果が生まれ、うるおいの継続時間と肌のタフさが格段にアップする。最新処方では両成分を内包したセラムやクリームが増加傾向にあるのもこのためだ。

もし「エクトイン処方」にトライするなら、乾燥によるシワやカサつきに悩むケア、季節の変わり目の過敏肌ケア、アンチエイジングの土台づくりなど幅広く活用できる点が魅力。保湿力を数字で語る「ヒアルロン酸」に対し、「どれだけ肌を守れるか」を重視する「エクトイン」。どちらかを選ぶのではなく、自分の肌の悩みに応じて使い分けることがキーとなりそうだ。