化粧品や石けん、食品にも使われるステアリン酸Na。原材料の安全性が問われる今、改めてそのプロファイルに迫る。

ステアリン酸Na（ステアリン酸のナトリウム塩）は、動物性油脂または植物性油脂をケン化して得られる界面活性剤。欧米の規制機関や、化粧品成分審査機関（CIR）専門家会合は、一般的な配合濃度での化粧品・パーソナルケア用途を「安全」と結論付けている。皮膚刺激性・感作性は極めて低く、スキンケア分野でのステアリン酸Na活用に対する消費者の不安を和らげる材料となる。

一方、粉末製品を取り扱う際には粉じん吸入による呼吸器刺激の可能性が指摘され、また敏感肌の方にとっては高濃度・長時間接触で軽度の刺激が出る例もある。こうした点は化粧品配合におけるステアリン酸Naの評価で重視すべきリスク情報だ。

乳化・増粘作用により製品の安定性とテクスチャーを高めるステアリン酸Naのメリットは大きい。米国環境保護庁（EPA）は急性毒性を「低」と評価し、生分解性の高さもエシカル原料としての好感要因となっている。

入手を検討する際は、製造実績のある信頼できるステアリン酸Naメーカーを選び、オンライン購入でもサプライチェーンの透明性を確認することが推奨される。

総じて、ステアリン酸Naは規制面でも実績面でも安全性が担保された有用成分だが、粉末取扱いや個人の体質差には留意が必要。今後も幅広い消費財で活躍し続ける理由がここにある。