強力な抗菌スペクトラムを誇るミューピロシンは、皮膚外用製剤の主役として世界中で使用されている。白色〜微淡黄色の結晶性粉末という外見から、体積効率の良い配合設計を可能にする物性まで、その「性能」は化学構造に裏打ちされている。開発者および製造責任者にとって、これらの基本データを押さえることは品質設計の第一歩だ。

分子式 C26H44O9 、分子量 500.62 g/mol。密度は 1.183 g/cm³に達し、軽量なまま高い安定性を保証する。溶媒溶解性は DMSO・メタノールに可溶、水にはわずかに溶解（約 12 mg/mL）だが、外用製剤には十分な値だ。融点 77〜78 ℃、沸点（760 mmHg）672.3 ℃という融解挙動は製剤工程での熱履歴管理設計に参考になる。

医療現場ではグラム陽性菌、特に黄色ブドウ球菌（Staphylococcus aureus）やレンサ球菌（Streptococcus pyogenes）に対し高い感受性を示す。耐メチシリン黄色ブドウ球菌（MRSA）への効果は抗生物質治療の切り札として知られる。湿疹などの炎症性皮膚疾患への併用や、軽度創傷・擦過傷の二次感染予防でも幅広く活用される。

製剤開発に向けてミューピロシン API 粉末 をオンラインで調達する際は、必ず CAS 番号 12650-69-0 と USP/BP 適合証明書を確認すること。純度と保存安定性は皮膚外用製剤の効力維持に直結するため、確実なトレーサビリティを示す製造元からの調達が推奨される。