歴史的建造物は文化と記憶の担い手であり、その固有の意匠を保ちながら永く維持することが求められる。最大の課題は雨水の侵入で、外壁や石材の劣化、白華(はっか)現象を引き起こし、欠損や装飾部の脱落につながる。こうした問題に対し、寧波イノファームケム株式会社が開発した「Potassium Methyl Silicate CY-16」は、最小侵入の防水剤として注目を集めている。


CY-16は無色～微黄色液状のカリウムメチルシリコネート剤で、本来の色彩や経年変化した風合いを残したまま透けるような防水膜を形成する。分子サイズが小さいため石材へ深く浸透し、通気性を保ちながら水だけを弾く。従来の樹脂コートによる「閉ざされた」保護層とは異なり、結露や内部水分の蒸散を妨げず、内部腐食のリスクを抑える画期的仕様だ。


古い煉瓦・石・コンクリートに蓄積する凍結融解リスクへの耐久性向上も実証。寒冷地の遺構でも、塩害地域のレンガ構造物でも長期間、亀裂や割れを防ぐ。加えて、白華現象を軽減する効果により、見た目にも歴史的価値を毀損しない。塗布は刷毛・ローラー・低圧スプレーのいずれでも簡単に行え、現場での足場の移動も最小限に抑えられるため、国宝・重要文化財の現場で特に高く評価されている。


現場作業者や設計者に向けた施工ガイドラインも整備され、修復工事の計画段階からCY-16導入事例が加速している。価格や仕様に関する問い合わせ窓口も設置され、「買うだけ」ではなく「文化遺産と未来をつなぐ技術」として提案されている。歴史的建造物を次世代へ確実に引き継ぐ最適解として、CY-16の採用は今後も拡大する見込みだ。