EVA・ゴム向けの無臭高効率架橋剤に注目が集まる――今回は、最先端の化学ソリューションを手掛ける寧波イノファームケム株式会社の協力のもと、フローリング材からスポーツグッズまで幅広く使われるEVAやシリコーンゴム、EPDMなどの架橋プロセスで欠かせない「BIPB 96%(ビス(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン)」と「DCP(ジクミル過酸化物)」を詳細に比較し、選択の指針を明確にする。

大きな違いが表れるのは臭気コントロールだ。BIPB 96%は加硫・加圧時もほとんど臭わず、仕上がり製品まで無臭に近い。これに対しDCPは特有の刺激臭が残り、VOC規制の厳しい環境や消費者の直に触れる製品では大きな課題となる。

添加量も大幅削減が可能だ。BIPB 96%はDCP同等の物性を確保しながら、一般的に2〜3割の低配合で済む。原料コストの上昇を抑えながら工程時間短縮や配合見直しの自由度も高まる。

  • EVAフォーム用途:均一な独立気泡構造と優れた復元力を同時に実現。ランニングシューズのミッドソールに採用例が増加。
  • シリコーンゴム:耐熱性・耐久性を一段向上し、電線被覆や医療チューブで高度な信頼性が要求される用途にも対応。
  • EPDM他特殊エラストマー:自動車部品や建築用シーリング材の加硫プロセスでムラの少ない高品質な架橋が可能。

DCPは長年の実績があり低コストとのイメージも強いが、BIPB 96%による「無臭」「高効率」「用途拡大」という付加価値は、市場ニーズの多様化を背景に採用拡大が確実視される。品質向上、安全・環境配慮、そして次世代製品開発を目指すメーカーにとって、BIPB 96%の選択は戦略的な一手となる。