中国・寧波、日本市場向け最適化モデル発表――寧波イノファームケム株式会社は、次世代環境対応型添加剤「DOPO（10,10-dihydro-9-oxa-10-phosphaphenanthrene-10-oxide）」の技術情報を総まとめとして公開しました。電機・電子、自動車、建材向けハロゲンゼロ難燃剤需要の高まりを受け、独自の合成ノウハウで高純度・高安定級をラインナップ化。

DOPO が火炎伝播を抑制するメカニズムは、気相と凝縮相の二重奏で成り立ちます。熱分解時に放出されるリン系ラジカルが、火災反応における H・OH ラジカルを瞬時に捕捉。同時に、熱硬化性樹脂やエンジニアリングプラスチック表面にカーボネイシャスチャー層を形成し、熱と酸素から基材をシールドします。

同社の基礎研究では、ポリアミド、ポリエステル、ポリカーボネートに対する添加相溶性の最適化条件が確立済みです。特に自動車用コネクターやスマートフォン筐体など、薄肉高強度化が進む用途での性能向上が確認されています。

DOPO導入によるメリット

  • ハロゲン・スルフアミドフリーで RoHS/REACH 適合
  • 高い熱分解開始温度（Td5 ＞300 °C）で射出成形時の劣化を抑制
  • 発煙量と毒性ガスを大幅に低減し、火災時の避難時間を確保
  • 難燃剤単独使用でも UL94 V-0 達成が可能な高効率レベル

同社は少量ロットからトン級スケールまで供給体系を整備し、Web カタログから試験用サンプルも即日発送するなど迅速な評価支援を実施。さらに顧客の樹脂系統に合わせたマスターバッチ化や表面処理仕様へのカスタマイズにも柔軟に対応。今後も「特化樹脂向け機能化学品のリーディングサプライヤー」として、国内外メーカーの安全規制強化に伴う難燃ソリューションを牽引します。