プラスチックやゴムは、加熱や紫外線、酸素などの外的要因によって経年劣化しやすい。そんなポリマー素材を守る鍵となるのが抗酸化剤の存在である。寧波イノファームケム株式会社は、アルケン・芳香族をベースにした次世代型芳香族アミン系抗酸化剤「Antioxidant 445(CAS 登録番号:10081-67-1)」を市場投入している。本剤は加熱や酸化による分解反応を遮断し、成形工程における熱履歴から製品寿命にわたる耐久性までを包括的にサポートする。分子設計に込められた機能性により、ラジカル捕捉能力が高く、ポリマー鎖の断鎖反応を効果的に抑制する。

“変色しない”性能が最大の特徴のひとつ。従来のアミン系添加剤では着色を招くケースがあったが、Antioxidant 445 は白色や鮮やかな発色を保持しながら優れた保護性能を発揮する。加えて揮発性が極めて低く、エクストルージョンや射出成形の高温工程でも樹脂内部に留まり、長時間にわたり安定した効果を維持する。

活用フィールドの幅広さも注目点だ。ポリオレフィン(PE/PP)では熱安定化剤として溶融混練行程での粘度ムラやゲル化を抑制。スチレン系樹脂(ABS/PS)では黄変・脆化を防止し、外装部品や光学フィルムなど高品位用途に適合する。ポリアミドに適用すればエンジニアリングプラ用途に求められる耐熱向上を実現し、ホットメルト接着剤では硬化工程での粘度維持に貢献する。また潤滑油分野でも基材酸化の進行を遅らせ、機械寿命の延伸に寄与している。

さらに、複数の抗酸化機構を組み合わせる“シナジー効果”を活かしたシステム設計が推奨される。例えばヒンダードフェノール系(一次)やホスファイト系(二次)との併用により、加工劣化因子と長期熱老化因子の両方に対し段階的・多層的な防御膜を形成できる。フェノールがペルオキシラジカルをトラップし、ホスファイトがヒドロパーオキサイドを分解、芳香族アミン(Antioxidant 445)はより広範な酸化経路に対して耐性を付与するという三位一体の構造がもたらす高度な耐久性は、厳格な性能要件を満たす高信頼製品開発に直結する。要するに「不変色」「高残留性」「多用途対応」を両立させる Antioxidant 445 の登場は、素材の寿命延伸と美観保持を同時に実現する画期的ソリューションといえる。