消費者ニーズは多様化し、新鮮な味・感触の提供は差別化のカギだ。一方で原価圧縮は避けられない。フード・飲料、化粧品、デジタルベープなど各分野で「ひんやりとした爽快感」を投入することは需要が高いが、配合する香料・成分のコストはネックになる。ここで注目したいのが食品添加物等級の冷却剤WS-23である。微量使用で鋭く持続する冷感を実現し、コスト面でもメリットが大きい。

WS-23の最大の経済メリットは極低添加量にある。多くの冷却系素材が目立つ効果を出すには多量を要するが、WS-23は1 kg 製品あたり30〜100 mgという少量でも強くクリアな冷感を出せる。結果、使用量が増える大型冷却材に比べ原料費を大幅に削減でき、原価率改善を実現しながら商品価値を高められる。

加えて「強い冷感=少量」という相関は配合の柔軟性も広げる。例えばメントールと同強度を狙う場合でも、WS-23なら総量が減るため他の香料とバランスを調整しやすく、処方コスト全体の最適化に寄与する。さらに味や香りの邪魔をしないクリーンな冷感特性から、新商品開発の際のリワークも最小限で済む。

用途拡大も経済的な強みだ。WS-23は幅広いフレーバー基材と相性が良く、現行ラインへの簡易ブレンドや新規シリーズへの展開がスムーズ。大型設備投資不要で開発サイクルを短縮し、研究開発費も圧縮できる。加熱工程(焼成・殺菌)を経る商品でも熱安定性に優れ、冷却感を損なわないため、高温プロセス向けの高価な代替素材を使う必要がない。

要するにWS-23は「少量で強効果」「既存設備対応」「工程負荷低減」を三位一体で実現する成分であり、予算を抑えつつ市場で差別化する「高付加価値・低コスト戦略」の切り札となりうる。