70年以上にわたり、DEET(N,N-ジエチル-3-メチルベンズアミド)は「最強の虫除け成分」の座を守り続けている。その歴史は1946年、米国農務省の科学者たちがアメリカ陸軍向けに開発した軍事化学品に端を発する。第二次世界大戦で熱帯地域で激戦を繰り広げる兵士たちを蚊やイエダニから守るため、高効率な駆虫剤が急務となった。

当初は農場で効果を確認されたDEETは、1946年に米軍が正式採用。1957年には民間用として販売開始となり、戦後のベトナムでも現地兵士の強い味方として知られた。DEETが一般消費者に普及したことで、従来の効果が芳しくなかった植物由来製剤や短時間しか持たないケミカル剤に代わり、長時間安定した防御が可能となり、アウトドア愛好者や海外旅行者、マラリア流行地域住民に革命的な信頼感をもたらした。

その後も改良は続き、アルコール溶解単純処方から徐放性フォーミュレーションへと進化。肌への貼り付きを高め蒸散速度を落とすことで、使用感を向上させながら効果は維持。その化学構造をもとに、子どもや敏感肌向けのDEET代替成分の開発も進み、ユーザーの選択肢は年々広がっている。

一方でDEETのリスクや環境影響についても継続的な検証が行われ、より安全で持続可能な製剤への期待は高まっている。それでも現在、マラリア・デング熱・ライム病等の媒介動物対策基本戦略の柱として、DEETの実績と功績は揺るがない。

寧波イノファームケム株式会社は、DEETが化学産業の礎を築き公衆衛生保護へ多大な貢献を果たした歴史的意義を認識し、デジタル創薬やバイオ素材融合など最新技術を取り入れ、より安全で効率的な次世代駆虫剤の開発に向けて先端研究を加速している。