現代の大型インフラが求めるのは、強度・耐久性だけでなく、難しい配置条件下でも確実に充填できるコンクリート設計である。橋梁や地下構造物、超高層ビルといった複雑な配筋や狭小部が多い現場において、従来と同じ施工性では課題が増大する。このニーズを解決する鍵を握るのが、スルホン酸メチルナフタリン・ホルムアルデヒド縮合物である「ディスパーサントMF」だ。


ディスパーサントMFの最大の強みは、きわめて高い分散性能によってコンクリートを高流動化することにある。密な鉄筋や薄肉断面など複雑な型枠の隅々まで、外部振動を最小限に抑えて自己充填させることが可能となる。これにより気孔やボイドが低減し、強度発現と表面仕上げの両立を実現できる。とくにセルフコンパクティングコンクリート(SCC)では、自重のみで流動し水平方向へ均一に拡がるため、型枠への衝撃が少なく作業者の安全も確保できる。


また、同添加剤は高効率減水剤として水セメント比を大幅に引き下げる機能を併せ持つ。強度向上はもちろん、塩害や凍害、地震荷重といった過酷条件にさらされるインフラに必須の耐久性を付与する。長期メンテナンスサイクルの延伸も見込めるため、ライフサイクルコストの観点からもメリットが大きい。


施工面では、ポンプ圧送時間の短縮や振動作業の削減により作業効率が格段に向上する。橋脚やスリーブ管を通すトンネル内部など、従来は手間がかかった箇所でも打設日数を短縮し、早期供用開始が可能となる。ディスパーサントMFを発注する際は、粉末品質のばらつきが少なく実績豊富なメーカー/サプライヤーを選ぶことが重要だ。適正添加量や混練条件については各種プロジェクト条件に合わせたアドバイスを受けられる体制も求められる。


都市のスマート化とサステイナビリティに向けて、より強固で長寿命なインフラが求められる現在、ディスパーサントMFはコンクリート技術の真のイノベーターとして、その存在感をますます高めている。