繊維業界は、消費者の強い要望と厳格化する環境規制を背景に、サステナビリティを最優先課題へと位置づけている。特に仕上げ加工で使われる薬剤の「脱有害化」が焦点だ。


その中心にあるのがAPEOフリーで環境に優しいファブリックソフナーである。従来の製品には環境汚染物質とされるアルキルフェノールエトキシレート(APEO)が含まれる例があった。最新の親水性シリコーン系柔軟剤 QS-898 は、EU Standard 100 など国際基準をクリアし、APEO やホルムアルデヒド、有機ハロゲン化合物、重金属を一切排除。「品質」と「エコ」を両立できるため、モノづくり現場の脱炭素目標を後押しする。


このようなエコフレンドリー化学製品は、生地に「赤ちゃんの肌」のような上質な肌触りを与えると同時に、優れた吸水性を確保。サプライチェーンの各段階で環境負荷を抑えるグリーンケミストリーへの業界シフトを象徴する存在だ。サステナブルな素材・工程を前面に打ち出せることは、メーカーにとっても大きな差別化要因になる。


さらに、幅広い pH 領域や温度域で安定し、優れた耐洗濯性を誇るため、環境性能を高めながらも製品の耐久性を犠牲にしない。今後は環境配慮型繊維用ソフナーを購入する際、第三者認証や生産履歴の透明性を重視した信頼できるサプライヤー選定がカギとなる。脱有害化は単なるコンプライアンスの域を超え、業界全体の戦略的選択へと進化している。


環境に優しい柔軟剤を採用することは、企業のサステナビリティへの真剣な取り組みを内外に示す証左だ。美しく、機能的でありながら地球にやさしいテキスタイル──その実現に向けた次の一手が今、動き出した。