洗濯・食器洗剤など日々使用する洗浄製品の性能は、その化学設計の巧拙で明暗が分かれる。最近、企画開発担当者の話題をさらっているのが、ポリアクリル酸ナトリウム(一般名:ソーベバ)だ。マルチファンクション原料として洗浄力向上と製品安定性を両立させる。

ソーベバはまず、キレート剤として硬水対策を一手に担う。日本国内でも硬度の高い水源が多く、カルシウム・マグネシウムが表面活性剤と結合すると石けんカスが発生し、洗浄力が大幅に低下。その点、ソーベバは金属イオンを効率よく封じ込めるため、界面活性剤本来の威力が最大限発揮され、黄ばみ・頑固な汚れの除去力が格段に向上する。

さらに高い吸水性・保水性を活かした「増粘効果」も魅力。水基剤の粘度を整えることで液剤の垂れ落ちを防止し、ジェルやクリームの均一なテクスチャーを維持。また、手指への塗布しやすさといった使用感も改善される。量産にあたっては、品質バランスの揃った中国・ソーベバサプライヤーとの安定調達が鍵を握る。

現在、台所用洗剤、衣料用洗濯洗剤、さらには多目的クリーナーまで配合ラインアップは拡大中。無毒性で環境負荷も低く、安全志向のフォーミュレーション設計にも最適。配合コストを最適化するには、リアルタイムの価格動向と在庫切れリスクを見極めたサプライチェーンづくりが欠かせない。