高い代謝活性を持つ脳は、ミトコンドリア機能と細胞エネルギーの質に左右される部分が大きい。その主役であるNAD+を効果的に補うβ-ニコチンアミドモノヌクレオチド(NMN)が、認知面で注目を集めている。寧波イノファームケム株式会社では、NMNが脳内のNAD+濃度を高めることで、老化に伴う認知トラブルに歯止めをかける可能性を精査している。

老化に伴いNAD+は徐々に減少し、DNA修復が滞れば酸化ストレスやニューロンの損傷につながる。この減少は記憶や学習能力の低下として現れるため、NMN によるNAD+「補充こそ切り札」と市場では囁かれている。

動物実験では、NMNが血液脳関門を通過して神経細胞内NAD+値を上昇し、ミトコンドリア呼吸活性を強化。この結果、酸化ストレスや炎症に起因する損傷から神経を守る働きが確認されている。さらに、NMNはシアチュアリン(SIRT1/SIRT3)活性を介して細胞ストレス応答を調整し、慢性脳炎症を沈静化させるとして、「未来のニューロプロテクター」との呼び声も高まっている。

寧波イノファームケム株式会社を含む研究陣では、ヒトでの効果を厳密に証明すべく早期臨床試験を加速させている。一方で、摂取量は医師の指導の下、個別の体質や目的に応じて設計すべきだとし、まだ「万能薬」と結論付けるのは早計であるとの見解を共有している。

今後の長期介入試験が、記憶・注意・実行機能といった幅広い認知指標にどう効くのか、実証データが待たれる。