上海―中国の化学素材大手、寧波イノファームケム株式会社はこのほど、綿布用リアクティブ染料増粘剤「KR-708HC」を発表した。鮮やかで色牢度の高い染色を可能にしつつ、工場のコスト負担を軽減する次世代ハイブリッド増粘剤である。


従来の海藻酸ナトリウムに代わる高機能製品として注目されるKR-708HCは、色彩鮮度と色の深みが飛躍的に向上するとともに、染料使用量は最大20%程度削減できる。同社によると、高発色効果のおかげで工程内の不正品が減少し、生産効率も高まるという。


変動する食塩濃度やアルカリ条件下でも粘度が安定し、レオロジー変化を抑制できる点も特徴のひとつ。このためスクリーン印刷(ロータリー/フラット)において鮮明な目詰まりのない描画が可能で、生産ロット間の発色ブレも最小限に留まる。均一な印刷ペースト粘度により、工程不良や再加工コストの削減につながる。


溶解工程も簡便で、常温攪拌のみで均質な高粘度ペーストが調製できる。その結果、準備時間短縮と設備稼働率向上を実現する。同社は「KR-708HCがもたらす品質と生産性の相乗効果で、国内外の紡績・染色企業の持続可能な高付加価値製造を支援する」とコメントしている。