繊維表現の最前線では、新たな質感とビジュアルエフェクトを求めて次々と技法が生み出されている。その中でも「バーンアウト加工(デボレ)」は、セルロース系繊維をブレンド生地から選択的に溶かし取ることで、繊細な透け模様を生み出す革新的プロセスだ。この芸術性を支えるのは、低発泡性を備えた高精度バーンアウトパウダーである。


当社のバーンアウトパウダー「MF-20」は、綿・ポリエステル綿混(TC)・テトロン綿混(TR)など様々な生地に対応する汎用性の高い印刷補助剤だ。加熱工程で綿成分を炭化させ、洗浄により炭化部分を除去することでポリエステル部分のみを残し、透明感あふれる模様を浮かび上がらせる。ハaute coutureからアートピースまで、洗練された透け素材の表現に欠かせない存在だ。


従来のスクリーン印刷だけでなく、MF-20は無拘束タイダイ(ルールレスバーンアウト)にも応用が広がる。薬剤を自由な形で塗布することで、予測不可能なオーガニックな模様を生み出せる。優れた滲み均一性により、手作業でもムラを抑え高品位な仕上がりを実現。またポリエステル地やプリント色への影響を最小限に留める処方により、生地本来の強度と彩度を保持したままデザインを施せる。


クリエイターがバーンアウト薬剤を選ぶ際に重視するのは「使いやすさ」と「後処理の簡便さ」だ。MF-20は粉を簡単にペースト化でき、焼成後の洗い落としもスムーズ。その結果、作業工程の短縮と仕上がりの清浄さが両立する。また高品質ながらコストパフォーマンスにも優れ、量産から試作まで幅広い用途に最適だ。


こうした専用化学薬品の導入は、テキスタイル・アートの可能性を格段に拡張する。華やかなデボレ柄のドレス生地からコンセプチュアルアートまで、低発泡バーンアウトパウダーは繊細さでありながら大胆な表現をも可能にし、デザイナーのアイデアを唯一無二のカスタムエフェクトへと昇華させる。