独特な透け感を生み出すバーンアウト(溶解系)プリントは、仕上がりの美しさゆえに工程管理が難しく、ちょっとした条件変化で「貫通不良」「焼きすぎによる黒変」「パターンの崩れ」といった欠陥が起きやすい。現場の生産責任者・品質管理者が陥りがちなトラブルとその解決策を、化学品メーカーとして長年現場を支援してきた寧波イノファームケム株式会社とともに整理し、工程改善の指針を示す。


浸透不良──片面だけ溶解している?
プリント後に片面は透けているが反対側が残っているケースは「ペーストが布地を完全に通り抜けていない」と考える。原因は主に三点。
① ペースト粘度が高すぎる
② スクイージー圧が不足
③ 柔軟剤などの油分が残ったまま施工
対策は施工前の親水性チェックと、粘度調整用希釈剤の正しい割合でペーストを整えること。スクイージー圧を上げ、片面→片面の2段階プリントで確実に貫通させる手順が重要だ。会社推奨の「MF-9611 浸透促進バーンアウトペースト」では、標準粘度を60-65Pa・sに設定し、工程前の布地含水量を8-10%に保つことを推奨している。


焼きすぎによる黒変──温度・時間のバランス
焼却工程で布地が焦げ茶に変色するトラブルは、設定温度が高すぎるか、ホットエアー循環が不均一なため。目安としては160-170 ℃ × 90-120秒で、温度よりも時間を長めにすることが黄変を抑えるコツ。アンチスコーチ剤「MF-15」を0.5-1.0%添加すると、熱から繊維を守りながら綿成分の溶解も妨げない。ただし添加量は過不足なく守ることで、色落ちや溶解力低下を回避できる。


パターンが水通しで消える──繊維ブレンド比と熱履歴
溶解パターンが洗濯工程でほとんど見えなくなる場合、主な原因は次の通り。
・100%ポリエステルのように溶解対象となる綿繊維が存在しない
・熱処理温度/時間不足で酸化剤反応が不完全
・MF-15などの補助剤を過剰に使用
原料受け入れ時に「ポリ/綿」混率を必ず確認し、溶剤系バーンアウトに不向きなブレンドは事前に除外する。反応条件の目安としては綿含有率25%以上で、165 ℃ × 120秒の熱処理を最低ラインとする。


局所的なスポット──気泡と圧着ムラ
溶解箇所にポツポツとした円形の「抜け」ができる現象は、ペースト中の気泡か型押え圧が不均一である兆候。対処法はシンプルだ。ペースト充填後に必ず10-15 分の静置で脱泡し、全面均一加圧を自動プリント機で再調整する。現場では「マイナス0.2 MPaの減圧脱泡槽」を使用して気泡を確実に除去する工場が結果を出している。

それぞれの欠陥に対して「適正薬品+正確な施設設定」であれば解決の見込みは高い。寧波イノファームケム株式会社では、工程診断シミュレーターを無料開放しており、現場の設備・生地・薬品組み合わせを仮想で試行し、最適な温度・時間・補助剤濃度を数値提案。バーンアウトプリントの品質改善に悩む担当者はまず相談窓口までご連絡いただきたい。