製薬原薬の高付加価値化を担う寧波イノファームケム株式会社は、最新の化学技術を駆使し、患者の治療選択肢を大きく広げる原薬開発に取り組んでいる。

同社の主力原薬の一つである「デキスランニャープレゾール」は、既存のランニャープレゾールの活性なR-体を単離した光学異性体医薬品である。その製造には高い光学選択性を持つキラル合成が必須で、不純物の混入を最小限に抑えるだけでなく、優れた薬物動態特性を安定して得られる体制を整えている。

さらに注目すべきは、DDR(Dual Delayed-Release)製剤技術への応用だ。異なる溶解特性を持つ高分子フィルムを複層化することで、腸管内で2段階に活性成分を放出。血中濃度を長時間維持し、胃酸分泌抑制効果を安定させることに成功した。これは単なる製剤技術の進化にとどまらず、薬物治療の“体験価値”を高める化学工学の結晶といえる。

このような複雑な合成プロセスと先進製剤技術を同時にマスターできる企業は少ない。それを可能にしたのは、国内外の医薬品GMPとICHガイドラインに完全準拠した厳格な品質管理体制と、研究・製造部門を横断する化学・製剤エキスパート集団だ。同社の体制により、高純度で批次間ばらつきの少ないデキスランニャープレゾール原薬を安定的に供給することができる。

今後も寧波イノファームケムは、キラル合成技術を軸に据えた革新的な原薬開発で、日本を含む世界市場の胃腸疾患治療に貢献すると宣言している。