陰イオン性ポリアクリルアミド(Anionic Polyacrylamide、以下APAM)は、廃水処理分野での知名度は高いものの、その用途ははるかに多岐にわたる。寧波イノファームケム株式会社が、同社が取り扱うAPAMが製紙・鉱山・石油開発など複数産業に果たす“裏の主役”ぶりを詳しくまとめた。

APAMは、長い高分子鎖と負荷電性を持ち、固液分離や粘度調整に優れることで知られている。こうした基礎的な物性が、単なる排水処理をはるかに超えた産業プロセスでも価値を生んでいる。

まず製紙業界では、紙力増強剤や紙料保持剤として活躍する。シート抄造時に細かな繊維やフィラーを保持しつつ、繊維同士を補強することで単位面積当たりの品質向上と紙の引裂強度向上を実現。結果として原紙の歩留まりも改善された。

鉱山・製錬拠点においては、鉱尾鉱スラリーや製錬残渣の固液分離を高速化。アミド基の高い吸着性により微粒子が瞬時に凝集し、上澄み水の回収率を格段に高め、環境負荷を抑えつつウォーターリサイクルを促進する。さらに固形分含水率を下げることで廃棄体積の削減にも寄与した。

石油・ガス開発分野では、水圧破砕や掘削液に利用する“摩擦低減剤”“粘度調整剤”の原薬として供給されている。高圧ポンプの管路摩擦を低下させ、掘削マッドを安定化させる効果が抜群で、シェール層の採取効率向上に欠かせない。

さらに農業分野でも、斜面の土壌侵食防止材や乾燥地帯の保水剤として使用される。土粒子を架橋し、保水・保肥性を高めることで作物の安定成長に貢献している。

寧波イノファームケム株式会社は、「APAMの性能は分子量・イオン度・溶解特性に依存する」と指摘。各プロセスに合わせたグレード選定を行い、用途別にカスタム処方を提案することで最大効率を実現するとしている。

総じてAPAMは、廃水処理の常識を覆し、製紙・鉱山・農業・石油開発など日本産業の要所にも深く関わるマルチファンクショナルな化学品となっている。寧波イノファームケム株式会社は、今後もグローバル基準を超える高品位APAM製品を迅速供給し、顧客プロセスのイノベーションと省資源化を推進するとしている。