ポビドンヨード（PVP-I）は強力な殺菌・消毒薬ですが、薬剤である以上正しい扱いが求められます。ここでは日常的にも活用されるポビドンヨードの副作用と注意すべき使用方法に焦点を当て、誤った利用を防なうためのポイントを解説します。

代表的なポビドンヨード外用薬の活用シーンは創傷・皮膚の殺菌です。使用手順は①患部をぬるま湯などで清浄②軽く湿らせたガーゼ等に薬液を含ませ患部へ塗布③自然に乾燥させる。軽度の擦り傷や切り傷に対しては1〜3回/日の塗布が一般的です。ただし広範囲の損傷皮膚に長時間連続使用すると皮膚刺激やまれに重症反応が現れることがあるため、必要最小限の用量・期間に留めましょう。

用途別にポビドンヨード液を正しく使うコツを確認すると、手術前の手指消毒では「泡立て→充分すすぎ」、うがい薬・口腔内消毒では「指定倍率で希釈」「うがい後はうがい残しを吐き出す」が鉄則です。誤って大量に飲み込むと胃腸障害やまれにヨウ素全身中毒を起こすため、保管は乳幼児の手が届かない所へ。

ポビドンヨードの作用機序は遊離ヨウ素を徐々に放出して蛋白質を変性させ菌を死滅させる点にあります。このため、ヨウ素アレルギーの既往や甲状腺疾患の患者は塗布範囲が広い、または長期使用が想定される際は事前に医師・薬剤師へ相談することを推奨します。

ポビドンヨードの最大の利点は「指示通りに使えば安全性が高い」という点。添付文書を熟読し、赤み・かゆみ・発疹など副作用が現れたら直ちに使用を中止。小児・妊婦の使用や既往歴がある方は医療機関へ相談してから使用するとさらに安心です。