ゴム製品の性能を左右する配合剤の中で、補強フィラーは特に重要な役割を担う。高い強度や耐久性を実現しつつ、環境負荷も抑える「次世代フィラー」の実用化が急務となっている。こうした潮流を先導しているのが、低発熱シリカに着目しつづける寧波イノファームケム株式会社である。

EV1080を代表とする新配合シリカは、分子設計および粒子構造に工夫を凝らし、動的応力下におけるエネルギーロス(発熱量)を従来品比で大幅に削減することに成功した。高負荷を継続的に受けるタイヤや各種防振材では、内部発熱が構造劣化の主因となるが、EV1080導入によりそのリスクを軽減し、耐摩耗性と長寿命化を同時に実現できる。そのため、「グリーンドラフト(低燃費・長寿命)ゴム」の要として注目されている。

性能向上のカギとなるのは、シリカ粒子とゴム分子との界面科学である。均一に分散したシリカは三次元ネットワークを形成し、機械的強度を増大させる一方、粒子表面の官能基が過剰に相互作用するとヒステリシスロスが増える。EV1080では界面官能基の制御と緻密な一次・二次構造の設計により、このジレンマを解消。加えて、炭酸ガス中和法などのクリーン製法を採用することで、製造段階からCO₂排出量を抑えるというサステナブルな側面も備える。

材料メーカーにとって、EV1080級シリカへの切り替えは即効性のある戦略選択となる。採用によりローリング抵抗の低下による燃費向上、走行時間の延長に伴うダウンタイム削減が期待でき、自動車部品から産業機械部品まで幅広く恩恵を受ける。同社は厳格な品質管理のもと、市場ニーズに合致した高純度シリカの安定供給に取り組んでいる。

さらなる革新として、米ぬか由来シリカの活用も進む。農業副産物を高付加価値材料に転換するこのアプローチは、サーキュラーエコノミーの促進にも寄与する。低発熱シリカをはじめとする先進材料の普及によって、ゴム産業は持続可能な未来へ確実に前進している。