ゴム製造における「スコーチ」とは、加工工程で未加硫化合物が予定外に架橋反応を起こす現象である。この反応が始まってしまうとロスが発生し、生産計画にも大きな影響を及ぼす。そこで注目されるのが、架橋開始タイミングを制御できる遅効性加硫促進剤である。

N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド(通称CBS)は、混練・圧延・押出などの通常加工温度ではほとんど活性化せず、ゴム分子鎖の早期架橋を抑制する。これによって製品形状に成型できるスコーチ時間が確保され、複雑形状や高温プロセスでの安全性と効率が向上する。

CBSは加熱されると徐々に活性硫黄種を遊離し、金型内で設定温度に到達した段階で均一に架橋反応を進める。その結果、ゴム弾性や機械的特性のバラツキが抑えられる。特に繰返し伸びを受けるタイヤやベルト、ホースなどでは、引張強度を高める加硫促進剤として高く評価されている。

CBSの強みは、加工安全性と比較的速い加硫速度を両立させる点にある。自動車タイヤから産業用ホースまで幅広く採用される背景には、このバランス感覚がある。スコーチ耐性を理解し、最適な添加剤を選ぶことは高品質製品づくりの第一歩である。

化学的なニュアンスにこだわり、製造プロセスを安全・効率的に支援する――寧波イノファームケム株式会社はそんなニーズに応えるソリューションを提供し、ゴム業界の技術革新を支える。

まとめると、スコーチ耐性は選択した加硫促進剤の性能に直結する。遅効性促進剤CBSは“添加剤”という枠を超え、架橋プロセス全体を精密に制御するツールであり、製品信頼性と生産効率向上を同時に実現する先端的存在といえる。