健康的な体作りを目指すにあたり、サプリメントの活用を検討する人は多い。中でもL-カルニチンは「脂肪を燃やす成分」として注目を集めている。本稿では、最新研究に基づき、L-カルニチンが本当に体重管理に役立つのか、そのメカニズムと活用方法を詳しく解説する。

L-カルニチンはアミノ酸誘導体であり、脂肪酸をミトコンドリアという細胞内エネルギー工場まで運ぶ役割を担う。ここで脂肪酸が分解されATP(エネルギー)が生み出されるため、L-カルニチンが不足すると脂肪の燃焼効率が落ち、中性脂肪として貯留されやすくなる。つまり、L-カルニチンは脂肪燃焼を助ける“運び屋”というわけだ。

メタアナリシスでは、L-カルニチンの摂取により体重・BMI・体脂肪率が平均で数パーセント改善することが示されている。特に運動習慣のある成人では、体幹部や四肢の脂肪減少が顕著で、アプリトレーニングとの併用で相乗効果が期待できる。即効性は低いものの、継続摂取で確実な変化を体感できる点が魅力だ。

注目すべきは、2型糖尿病患者へのメリットだ。最新研究によれば、L-カルニチンはインスリン感受性を高め、空時血糖値の改善に寄与する。肥満と高血糖が気になる人にとっても、一石二鳥のサポート成分といえる。

食事で十分なL-カルニチンを補うには、赤身肉や乳製品を頻繁に摂る必要がある。しかし菜食主義者や高齢者は体内合成量が減少しがちで、サプリメントによる補填が現実的だ。1日摂取量は500~2,000 mgが一般的で、空腹時より運動前に摂取することで効率が上がるとされている。

もちろん、個人差や健康状態があるため医師・管理栄養士への相談を推奨する。今後、さらなる臨床データの蓄積が期待されるL-カルニチンは、“健康 × ボディメイク”というテーマで確実に存在感を高めていくだろう。