DIM(ジインジリルメタン)を健康習慣に取り入れたい方にとって、そのルーツを知ることは不可欠です。DIMは単なるサプリメントではなく、私たちが日常的に口にするアブラナ科(ブロッコリー、カリフラワー、キャベツなど)の野菜に豊富に含まれる天然化合物なのです。

代表的なDIM源はブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、芽キャベツ、ケール、コラードグリーン、青梗菜(チンゲンサイ)など。この野菜群はグルコシノレートという前駆体を含み、細胞を破ること(噛む・刻む)で酵素が働き、グルコシノレートをインドール-3-カルビノール(I3C)へと変える。胃の強酸性環境でI3CはさらにDIMへ変換されるため、これらの野菜をバランスよく食べるだけで、自然とDIMを体内に取り込むことができます。

濃度は野菜の種類と調理法によって変化します。例えば、加熱しすぎると変換に必要な酵素が失活するため、生食または短時間の蒸らしで食べるほうが有効成分を温存しやすい。シンプルなサラダやスープトッピング、炒め物で最後に加えるなど工夫すれば、多彩なフィトケミカルと共にDIMも確実に摂れます。

サプリメントは確かに高濃度ですが、DIMの天然由来に着目すれば、自然志向の暮らしに目が向くはず。食事を通じるアプローチは、DIM以外にもビタミン・ミネラル・食物繊維を総合的に供給し、体の恵みを最大限に引き出します。地味な野菜が口にするたびに体の中でDIMへと生まれ変わるまでの物語こそ、自然の薬局(ナチュラルファーマシー)が持つ深い力といえるでしょう。ブロッコリーのガーリック炒め、ケールとリンゴのスムージーを今日のレパートリーに加えて、ジインジリルメタンを味わいながら楽しんでみてはいかがでしょう。