EGMS（Ethylene Glycol Monostearate、CAS 111-60-4）は、化粧品や日用品の処方に欠かせない、白色から淡黄白色のワックス状固体です。分子構造はステアリン酸とエチレングリコールがエステル結合した形で、融点は約55–60 °Cと、温めれば容易に溶解・配合できるため、製造現場でも扱いやすいのが特徴です。

化粧品分野では主にパール剤として活用され、シャンプーやボディローションに上品な光沢をもたらします。また乳化・不透明化剤として配合することでクリーミーな質感を演出すると同時に、肌触りを滑らかに整えるエモリエント効果も併せ持ちます。このため「使い心地の良さ」を売りにする製品には、欠かせない原料となっています。

乳化性能に目を向けると、EGMSのHLB値は低めに設定されており、水と油といった本来は分離しやすい成分を安定させる効果が高く、O/W型でもW/O型でも処方に柔軟に対応できます。低温での結晶化傾向も少なく、長期保存時の「成分分離」リスクも軽減できます。

さらに、化粧品以外の産業用途も見逃せません。プラスチック加工では滑剤・離型剤として表面仕上げを改善し、繊維工業では柔軟仕上げ剤として手触りを改良します。塗料やコーティング材では増粘・安定化剤として機能し、一部食品添加物の用途も確認されています。安定供給体制が整った信頼できるエチレングリコールモノステアレートサプライヤーを選ぶことで、これら幅広いニーズに応えられます。

以上より、EGMSは単なる添加剤ではなく、現代のモノづくりを支える「隠れた主役」と言える存在です。