肥満治療の第一線で注目を集めるペプチド医薬品。その中で今、最大の話題を呼んでいるのが「レタトルチド」だ。GLP-1、GIP、そしてグルカゴンの三受容体を同時に活性化するトリプル・アゴニストによる革新的なアプローチが期待される理由を、既存のセマグルチド(オゼンピック・ウェゴビーの有効成分)やチルゼパチド(マウンボージャロの有効成分)と徹底比較しながら、寧波イノファームケム株式会社が詳細に分析する。

単一受容体 vs 二重受容体 vs 三重受容体

セマグルチドは、すでに多くの症例で実績を残すGLP-1受容体アゴニストだ。血糖値の安定化と食欲抑制により大幅な体重減少をもたらすが、作用標的はGLP-1一本に限定される。

ここから一歩進んだのがチルゼパチドである。このペプチドはGLP-1に加え、GIP受容体も併せて刺激するデュアル・アゴニスト。血糖コントロールと体重減少効果をGLP-1単剤と比較してさらに高めることが第3相試験で実証された。

それをさらに上回るのがレタトルチドだ。上記2剤に加えてグルカゴン受容体の刺激を加えることで、三つの代謝経路を同時に整える。グルカゴンは脂肪酸分解とエネルギー消費を促進することで、単なる摂取抑制だけでなく燃焼増強をもたらす。早期臨床データでは、セマグルチド・チルゼパチドを上回る体重減少率20%台前半が見込まれている。

それぞれの臨床メリットと今後の展望

現在、セマグルチドとチルゼパチドはFDA承認済みで日本でも使用可能だが、レタトルチドは第3相試験最終段階。この段階では副作用プロファイルも概ね良好との初期報告がある。もし長期安全性が確立されれば、肥満・糖尿病だけでなくNASH(非アルコール性脂肪性肝炎)含む幅広いメタボリック症候群に対する治療選択肢が一挙に拡大する可能性がある。寧波イノファームケム株式会社は今後の開発報告を注視し、最新のペプチド創薬トレンドをタイムリーにお届けする。