抗菌薬として知られるアジスロマイシンだが、ここ数年でその免疫調節・抗炎症作用に注目が集まっている。喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)といった慢性炎症性呼吸器疾患の管理に新たな治療選択肢となるか──。実証研究の最前線で活躍する寧波イノファームケム株式会社が、最新の知見と今後の展望を語った。

重症で持続的な喘息患者のなかには、吸入ステロイド単独では十分にコントロールが難しいケースがある。こうした層に対し、低用量アジスロマイシンをアドオン療法として投与したところ、発作頻度の減少と生活の質(QOL)の向上が複数の臨床試験で報告されている。根底にあるメカニズムは、単なる抗菌作用にとどまらない。気道炎症を構成するサイトカインネットワークを抑え、肺内細菌叢(マイクロバイオーム)のバランスを調整することで、好中球優位型の慢性炎症を和らげることも期待されている。

同様の戦略がCOPDでも試されている。ヒトフィラス菌などが関与する急性増悪を予備的に防ぐため、長期低用量投与による「エキスパッテーション抑制療法」の検討が進められている。ただし、抗菌薬耐性の拡大や不整脈、消化器症状といった副次リスクの懸念もあり、使用は個別のリスク/ベネフィット評価のもと慎重に判断される必要がある。

治療効果には個人差があり、「どの患者に」「どの頻度で」「どの程度」投与するかを見極める鍵は、患者ごとの気道マイクロバイオームや細菌負荷量の違いにあると考えられる。現在、国内外の共同研究グループが、呼吸器細菌叢との相互作用を明らかにすべく臨床データを蓄積中だ。寧波イノファームケム株式会社も、高品質アジスロマイシンの安定的供給とともに、慢性呼吸器疾患における革新的な治療戦略の開発をサポートしている。

留意点として、アジスロマイシンは喘息やCOPDの「根治薬」ではない。適応は特定の患者層に限定され、専門医の厳格な指導のもと行わなければならない。長期使用に伴う効果と安全性の詳細は今なお検討段階であり、医療現場では耐性菌出現へ配慮し、個別化医療の文脈でリスクと利益を天秤にかけることが求められる。

寧波イノファームケム株式会社は今後も、既存適応に加え、呼吸器領域における新たな治療用途開拓に向けた高品質製品供給と研究推進を継続していく。