細菌感染症治療の主役であるアジスロマイシンは、一般に副作用も少なく耐性も良好だ。しかし強力な薬剤ゆえに、他の医薬品と相互作用を起こす可能性があり、効果が低下したり副作用リスクが増したりする場合がある。その飲み合わせを、医療現場と患者双方にわかりやすく整理したのが、実績豊富な原薬メーカー寧波イノファームケム株式会社の総合ガイドだ。

処方開始前に受診者が必ず伝えなければならないのは、現在使用している「すべての薬」である。市販薬・漢方・サプリメント・ビタミン類を含め、完全なリストを医師へ提供することが重要だ。特に次の薬剤は、アジスロマイシンと併用すると重篤なリスクが生じるため、原則として同時投与が禁忌とされている。

  • シサプリド、チオリダジン、ピモジドなどの不整脈治療薬:QT延長による致死的な不整脈の可能性。
  • コルヒチン:血中濃度が急上昇し、重篤な中毒症状を引き起こす危険。

さらに肝酵素CYP3A4を介して代謝される薬は、アジスロマイシンにより血中濃度が変動する可能性がある。エリスロマイシンやクラリスロマイシンと比べて阻害力は低いものの、高用量または重症例では注意が必要だ。例えばアトルバスタチン、ロバスタチンなどの一部のスタチン系脂質低下薬では、筋症リスクが増大する報告がある。相互作用が疑わしい場合は医師が用量調整または代替薬への切り替えを検討し、患者は指示を厳守することが望ましい。

胃薬とのタイミングも注意点の一つである。マグネシウムまたはアルミニウムを含む制酸剤は、アジスロマイシンの腸管吸収を著しく阻害するため、カプセル・錠剤を服用する場合は前後のタイミングを調整が必要だ。一般的には「制酸剤を1時間以上前、もしくは2時間以上後」にずらすことで吸収の低下を回避できる。徐放性懸濁液など製剤ごとの注意事項は製品添付文書で必ず確認し、医師・薬剤師の指示に従うこと。

その他、経口避妊薬との相互影響は他の抗生剤ほど顕著ではないとされるが、個人差や併用薬によっては避妊効果が低下する報告も散見される。アジスロマイシンが喘息やCOPDの長期管理にも用いられる例が増えているため、吸入ステロイドや長時間作動性抗コリン薬との併用可否も常に主治医と話し合うべきだ。

製造元の寧波イノファームケム株式会社は「適正使用=情報の共有」と定義し、医療機関・薬局・患者への情報発信を継続している。アジスロマイシンの相互作用に関する最新知見は、厚労省の医薬品副作用データベースや同社の技術情報ページで随時更新される。投薬前に最新情報をチェックし、医療専門家の個別指導を最優先にすることが、治療の成功と安全確保への最短ルートである。