E316:エリソルビン酸ナトリウムの安全性と世界各国の規制状況
食品添加物の使用は、世界中で厳格な安全性評価と法規制のもとで判断されています。その中でもE番号E316で知られるエリソルビン酸ナトリウムは、酸化防止剤として加工・流通工程で幅広く活用されており、メーカーと消費者の双方にとって安全性の理解が不可欠です。以下では、主な食品安全機関による科学的根拠をもとに規制承認の現状をお伝えします。
国際的な評価を担う代表機関である米国食品医薬品局(FDA)、欧州食品安全機関(EFSA)、FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)は、エリソルビン酸ナトリウムに関する膨大な毒性試験データを継続的に精査し、所定の使用限度内であれば安全であることを結論づけています。
FDAは同成分を「GRAS(Generally Recognized As Safe)」に分類。専門家集団の合意のもと、抗酸化・抗菌目的での使用が認められていることを示しています。
欧州ではEFSAによる再評価を経て、欧州委員会の規則に基づき多様な食品カテゴリーに使用が許可済みです。最大使用量などは科学的知見の進展に応じて定時見直しがなされており、現在も最新データに基づく規制強化が進められています。
JECFAも単回・長期投与試験などを包括的に確認したうえで、エリソルビン酸ナトリウムに対して「ADI(1日摂取許容量)不指定」を付与。この最高ランクの安全区分は、技術的必要量以内であれば健康リスクが認められないことを示しており、安全性に関する十分なマージンがあることを実証しています。
なお、ビタミンCと構造的に相似するもののエリソルビン酸ナトリウムは栄養機能はなく、主に油脂の酸化やニトロソアミンなど有害物質の生成を防ぐ抗酸化・発色保持効果を発揮します。各国の使用基準を遵守すれば高品質・長期保存に貢献する、消費者が安心して利用できる添加物であることが科学的に証明されています。
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