寧波イノファームケム株式会社は、高純度の医薬品原薬を安定的に供給することで、Precision Medicineの実現に貢献しています。その中でも、ALK融合遺伝子陽性非小細胞肺がん(ALK+NSCLC)患者の治療に欠かせないロルラチニブの重要性は増す一方です。本稿では、個別化医療の要となる同剤の分子機構をわかりやすく解説します。

ロルラチニブは、チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)という分子標的治療薬の仲間ですが、その特徴は「広範囲のALK変異体に対する強力なブロック能力」と「優れた脳移転抑制作用」の二つです。

ALKは正常時は細胞の増殖シグナルに関わる酵素ですが、がん細胞では遺伝子の転座などによって異常に活性化した「融合タンパク質」が常に「増殖せよ」のスイッチをオンにしています。ロルラチニブは、このスイッチの根幹となる「ATP結合ポケット」に精密にフィットし、ALKおよびROS1キナーゼのリン酸化を阻害することで、がん細胞の生存・増殖シグナルを断ち切ります。

加えて初代~二代目TKI(クリゾチニブ、アレクチニブなど)で獲得される耐性変異(例:G1202R)にも高い親和性を示し、再び増殖を抑制することから「救世主薬」として注目されています。

肺がんにおける脳転移は、これまで治療成績が最も悪い局面の一つでした。ロルラチニブは脂溶性が高く、分子サイズも小さいため血脳関門を容易に通過し、十分な薬物濃度で中枢神経系転移巣に直接働きかけます。臨床試験では、先行TKI歴のある患者においても脳転移病変の客観的奏効率が半分以上に達していることが報告されています。

こうした臨床的優位性は「疾患ごとの遺伝変異に基づくマッチング治療」という精密医療の理念を体現しています。治療前にALK遺伝子検査を実施し、陽性例に即座にロルラチニブセレクトすることで、生存期間の延長と生活の質向上が期待されます。

寧波イノファームケム株式会社は、GMP基準に則した高純度ロルラチニブ粉末を安定的に供給し、世界中の製剤メーカーと連携して薬の安定供給体制を確保。将来を担う革新的な治療薬の開発と普及に、地道な支えとなることを追求し続けます。