日本でも深刻化する「硬水問題」――カルシウムやマグネシウムを多く含む硬水は、キッチンや工業用途でスケールや汚れの原因となる。これを防ぐための水軟化システムは、もはや家庭のみならず工場でも不可欠だ。その要となるのが「イオン交換樹脂」と、樹脂を再生するための高純度塩化ナトリウム粒状ソルトである。

軟化装置の内部には、ポリスチレンをベースにした負電荷を持つ樹脂ビーズが充填されている。初期状態ではナトリウムイオンが結合しており、硬水が流れ込むと強い正電荷を持つカルシウム・マグネシウムイオンが電気的引力で樹脂へ吸着し、ナトリウムを「交代」させる。これにより、硬度成分は水中から除去され、ソフトな水が得られる。

時間経過で樹脂は飽和し、軟化能力が低下するため再生(リカバリ)が必須だ。塩タンクに投入した粒状ソルトを水で溶解し、濃厚な食塩水を装置へ送り込む。当社の製品はNaCl純度99.8%以上で不純物が極めて少ないため、ブライン濃度が安定し、樹脂内部に残留する余分な汚物のリスクも格段に低減。家庭用軟水器から大型工場まで、幅広いニーズに対応する。

再生工程では、ナトリウムイオンが圧倒的な数で樹脂を再び包囲し、カルシウム・マグネシウムを追い出す。追い出された硬度イオンは排水とともに排出、樹脂は新たにナトリウム状態となり軟化性能を完全に回復する。

また、粒の均一性と溶解性も重要。橋がかりやムッシュ現象を抑制することで、常に均一な濃度のブラインを供給し、樹脂の寿命を延ばす。EN973 Type A 食品グレード規格をクリアしたため、飲料水や食品工場での使用も安心だ。高純度ソルトが支える「化学×工学の連携」が、暮らしと産業を守る。