天然ヤシ油由来の両性界面活性剤「コカミドプロピルベタイン(CAPB)」は、近年パーソナルケア業界の要として、驚くべき低刺激性と多彩な機能で注目を集めています。シャンプーやボディソープ、フェイスウォッシュ、しかもベビー製品に至るまで、幅広いアイテムの洗浄力と使用感を革新する役割を担っています。

CAPBの最大の魅力は、皮膚や頭皮のバリアを守りながら余分な皮脂や汚れを優しく落とす“やさしさ”。従来の強力な洗浄剤に代表される“ごわつき”“きしみ”を招かず、敏感肌向けケアに最適な処方原料となることが臨床データでも証明されています。

さらに、豊かな泡立ちを生む発泡補助効果も高く評価されており、リッチな泡の質感は多くのユーザーの“洗った実感”そのものへと直結。特にシャンプーでは、素早いなじみと均一な拡散を可能にします。

洗浄・泡立ちだけでなく、コンディショニング効果も併せ持ちます。両性イオン特性により毛髪や皮膚表面に被膜を形成し、なめらかでうるおいのある仕上がりを実現。まさに1工程で洗浄+ケアを両立する多機能原料です。

安全性と環境負荷も欠かせない視点。製造工程で生じる不純物に起因する皮膚刺激例が一部報告されているものの、大手原料メーカーは高純度精製技術を導入しリスクを最小化しています。さらに、CAPBは生分解性が高く、サステナブルなコスメトレンドとも親和性が高いのが特徴です。

なお、しばしば混同される「ココベタイン」とは異なり、CAPBは化学修飾によりさらなる低刺激性と長期保存安定性を獲得。処方設計時にはこの違いを正確に理解し、用途に応じた選択が求められます。