敏感肌でも安心、かつ保存性に優れた化粧品を開発するには、原料選びが鍵となります。ココナツオイル由来のアミノ酸誘導体であるカプリルヒドロキサム酸(Caprylhydroxamic Acid, CHA)は、防腐力とキレート力を両立した次世代の多機能成分として、近年急速に採用が進んでいます。

最大の特長は広域pH域での安定性。弱酸性のローションから中性のクリームまで、あらゆる処方において細菌・酵母・カビの増殖を抑制し、製品の品質を長期にわたり守ります。また、鉄などの金属イオンとキレートすることで酸化や色変化を防ぎ、Clean Beautyに求められる「少量で高機能」という要求にも応えられます。

既存防腐システムに比べ皮膚刺激性が格段に低いため、保湿乳液、セラム、クレンジングなど敏感肌向けスキンケア製品のアクティブ・インクルージョンがしやすいのも大きな利点です。

さらに、ヒマシ油やグリセリンなどの保湿剤、他の温和防腐剤と組み合わせることで、微生物防御を高めながらも使用者の体感を損なわないバランスの取れた処方設計が可能となります。

安全性データの透明性と環境ホルモン非該当という観点から、各国規制にも柔軟に対応できるCHAは、これからの化粧品イノベーションを牽引する戦略的原料となるでしょう。