次世代素材の開発が進むなか、ゴム製品に求められるのは「高機能」と「サステナビリティ」の両立です。カシューナッツシェルリキッド(CNSL)をベースにした変性樹脂が注目を集めています。特にSP-6600と呼ばれるCNSL変性補強樹脂は、タイヤをはじめとする幅広いゴム用途の耐久性を飛躍的に向上させる革新材料として期待されています。

注目すべきポイントは、この樹脂が天然由来副産物「CNSL」を出発原料としている点です。従来の石油系添加剤から大幅な脱炭素が可能で、サステナブルゴム製造を加速させます。SP-6600は六角メチレンテトラミン(ヘキサ)を配合した微粉末樹脂で、硫黄加硫プロセスにおけるゴムの補強性能を高次元で発揮。より丈夫で高耐久のゴム組成物を形成します。

タイヤメーカーが得られる最大のメリットは、耐摩耗、耐裂伝播、剛性、硬度といったすべての物理特性が大幅に改善されること。長寿命化に加え、路面グリップと操縦安定性向上が同時に実現できるのです。路面ダメージに耐える高性能タイヤはもちろん、EV向け低ロールレジスタンスタイヤへの応用も見込まれています。

製造工程面での利点も見逃せません。SP-6600は微粉末タイプのため、最終混合段階での分散性が極めて高く、工程簡略化とバッチ間のばらつき抑止を実現。NR、SBR、BRなど使用するゴム極性を選ばす、既存装置のまま利用できる汎用性も評価されています。少量の手間で品質向上につながる点は、多品種少量生産に向いた日本メーカーにとって大きなアピールポイントです。

SP-6600をはじめ、CNSL系樹脂にはタック化樹脂、ボンディング樹脂など、タイヤ内部の接着強化・鋼コード・繊維コードとの密着向上に貢献する製品ラインナップも用意されています。使用ゴム、補強材料、加工温度、サービス条件に合わせた最適樹脂システムを提案するのは寧波イノファームケム株式会社。同社のワンストップサポートにより、メーカーは製品性能向上と生産効率化を同時に実現し、激変する市場での競争力強化を図れます。