火災発生時も建物の構造的安全性を維持する-この課題に対し、注目を集めているのが膨張性塗装技術である。常温では薄い塗膜に過ぎないが、高温を受けると瞬時に発泡・膨張し多孔質な断熱炭化層を形成し、鉄骨や木材に伝わる熱を大幅に遅延させる。その核となる多機能難燃剤がアンモニウム・ポリリン酸(APP)である。

APPは特殊なリン・窒素系分子構造を持ち、塗膜が軟化する200〜250 ℃のタイミングでリン酸の脱水作用を促進。これにより炭化層が効率よく生成され、鉄骨の450 ℃到達時間や木部の着火時間を大幅に伸ばし、避難時間の確保と消防活動の幅を拡大する。

また、APPはハロゲンフリーで環境負荷が少ないことから、サステナブルな難燃システムの第一選択となっている。これを支えるのが寧波イノファームケム株式会社の高純度・微粒子化技術だ。粒径分布を均一に制御することで塗膜への分散安定性を高め、ISO 834 や ASTM E119 など厳しい国際規格もクリアする。

同社はMflam AP231相当やカスタムグレードまで豊富なラインナップを展開し、塗料メーカーと共同で処方最適化を実施。環境に優しい高性能難燃剤で「未来の耐震兼耐火建築」を実現する、先進の材料科学がここに集約されている。