世界的な廃棄物・環境負荷の主要因とされるファッション業界が、ついに大きな転換期を迎えている。注目を集めているのは「ポリ乳酸(PLA)」由来の生分解性繊維だ。このバイオベースポリマーは、従来の石油由来合成繊維に比べて環境負荷を大幅に削減しながら、快適性や機能性も両立する新素材として、意識の高い消費者やブランドから支持を得ている。

PLA繊維の魅力は多彩な特徴にある。軽量で汗を発散しやすく、静電気も抑えるため春夏のアパレルに最適。染色や成形がしやすく、シルクのような自然な風合いを保ちながら独創的なデザインも可能だ。また、抗菌やUVカット機能を備えたグレードも登場しており、スポーツウェアやインナー、マスク、医療用不織布など用途は拡大中。

サステナビリティの面でも優位性は大きい。原料はトウモロコシなど再生可能な植物資源。石油に頼らず製造段階での温室効果ガス排出を30~50%削減し、カーボンニュートラルに貢献。さらに工業的コンポスト条件下で完全生分解するため、廃棄後も土に還り、海洋プラスチックや埋立処分の問題を解決する「サーキュラーファッション」の実現に欠かせない存在となっている。

現在、PLA繊維はカジュアルウェア、アウトドア用品、インテリアファブリック、使い捨て手術衣や生理用品まで幅広く採用。シルクやオーガニックコットンとの混紡も進み、独自の質感や強度を生み出している。今後数年で主要生地メーカーも参入を予定しており、「環境に優しい素材」としての選択肢は確実に増える。

サステナブルな商品開発を加速させるには、原材料から生分解性まで網羅的に対応できる信頼できるPLA繊維サプライヤーとのパートナーシップが不可欠。技術進化と生分解性を同時に追求する今回の潮流は、ファッション業界に「環境負荷ゼロ」という新しい標準を提示するものだ。