乾燥剤を選ぶだけでは「モイスチャーコントロール」は完結しません。中身の状態を「見える化」できる湿度インジケーターカード(HIC)が不可欠です。本記事は、寧波イノファームケム株式会社協力のもと、カードの選定〜廃棄までを実務視点でまとめた実践マニュアルです。

見た目で判断──カラーチェンジの仕組みから

HICは湿度に応じて青色(茶色)→ピンク(緑)へと色変化するインクドットを採用。各ドットに設定された相対湿度(RH)を超えると色彩転換が起きます。微妙な色の違いを誤読しないため、専用シミュレータ画像付きの見本カードと事前に照合しておくと確実です。

用途別カード選定の3ステップ

  1. 対象物の水分感受性を確認(半導体は5-15%RH、一般部品は10-60%RHなど)
  2. 輸送期間と保管環境の最大湿度をシミュレート
  3. 段階表示ドット数(3〜6点)とコバルトフリー仕様の必要性を検討

パッケージ内レイアウトの極意

開封時に確認しやすい壁面に貼付し、被包装品や乾燥剤の接触は避けます。カードを小袋に入れて浮かせる「エアスペース方式」は変色ムラを防ぎ、信頼性を向上させます。シールづけ後は軽く押さえるだけで、HICにかかる荷重を回避しましょう。

乾燥剤との連携で効果最大化

HICは“湿度バロメーター”、乾燥剤は“湿度スポンジ”という関係性です。封入前にカードと乾燥剤を同梱し、シールエッジをヒートシーラーで完全密閉することがポイント。MIL-I-8835Aに適合した不可逆+可逆カードとの併用で、異常時の証拠保全にも対応できます。

現場で困らない読み取りテクニック

色変化したドットが一点でもあればRH基準突破を示します。可逆タイプは乾燥状態に戻ることで「乾燥剤機能回復」を見極められますが、長期暴露や過剰水分では逆戻りしなくなるため、記録用写真を撮影しておくと後日のトレーサビティに便利です。

保管・廃棄のベストプラクティス

未開封は袋入りのまま冷暗所に水平保管。一度開封したカードは5分以内に使用し、残りは密封容器に戻します。使用済みは産業廃棄物扱いで、地方自治体の条例に従い廃棄します。

寧波イノファームケム株式会社では、J-STD-033準拠の多様なHICラインナップを提供。本ガイドを参考に正しく適用することで、物流不良を大幅に削減し、より安心な包装品質を実現できます。