医薬品向け先端賦形剤の開発・供給で知られる寧波イノファームケム株式会社が開発したPVPP(通称:クロスポビドン)は、錠剤の崩壊剤として世界中で実績を誇るだけでなく、飲料分野でも画期的な効果を発揮しています。ビールやワインに代表される発酵飲料で生じやすい「濁り」や「経時変化」を抑制する機能が注目され、国内外の醸造所を中心に、早期から導入が進んでいます。

その秘密は、水中に溶けない不溶性高分子でありながら、ポリフェノールやタンニンといったハズ元となる成分を選択的に絡め取るPVPPの化学構造にあります。醸造工程において、この強力な相互作用により、濁り成分は不溶化、凝集しフィルタリングで除去可能となり、光沢のある澄んだ外観が得られます。

また、タンニンや酸化ダマ質などの除去により、味の変化や劣化のリスクも大幅に軽減。常温流通や長期輸出に耐える高い安定性を付与し、メーカーの品質コスト削減にも貢献しています。PVPPは微粒子のまま添加するため、反応が速く、工程時間を短縮できる点も魅力です。

さらに、ビールに関しては「泡もち」を改善する効果も報告されています。泡の安定化に関与するタンパク質を結合・調整することで、きめ細かい泡冠を長時間維持。消費者の飲用体験を高め、ブランド差別化の一手となる可能性を秘めています。

食品用途にも十分対応する高純度規格で供給されるPVPPは、原料としての安心安全はもちろん、「高品質・低コスト」を同時に実現するソリューションとして、世界各地の飲料メーカーから高い評価を得ています。