アジスロマイシンは患者の年齢や生活スタイル、臨床シーンに合わせて多彩な製剤が用意されており、効果を最大限に引き出すには「どの形で」「どう飲むか」を知ることが欠かせません。主な経口製剤は錠剤と内服液です。

錠剤
錠剤は成人や服薬に慣れた小児に最も多く処方されます。1日1回、食前・食後にかかわらず服用可能です。医師の指示がない限り、割ったりかんだりせずに水で飲み込んでください。症状の改善が早まったからといって途中で止めると、細菌を根絶できず耐性菌を生む原因になりますので、必ず規定日数を守ってください。

内服液
喉の通りが悪い小児や高齢者、錠剤が苦手な人に配慮したのがフルーツ風味などの内服液です。服用前はボトルをよく振り、専用シリンジや計量カップできちんと量を測ってください。混ぜるタイプの長時間徐放性製剤では、水に溶かした後の飲み時や食事との関係など製品ごとの指示に厳密に従う必要があります。

動物用製剤
ペットや家畜にもアジスロマイシンは使われ、魚やチキン風味など動物の好みに合わせた複合内服液が処方されます。オイルベースであることが多いため、キャップを開けるたびに振って混合し、体重と感染症の種類に応じた細かい容量を守ることが大切です。これらは動物病院の指導に従いましょう。

効果を高める４つのポイント

  • 1. 全量服用　快方しても完治まで錠剤が残っていれば根絶できません。
  • 2. 食事タイミングの確認　一部の製剤には空腹時や食後一定時間後、など食品との関係があるため必ず添付文書を読み、医師に確かめてください。
  • 3. 制酸剤との間隔　アルミニウム・マグネシウムを含む胃薬は吸収を阻害するため、可能な限り2時間以上の間を空けてください。
  • 4. 保管方法　内服液は製剤によって粉配合後に冷蔵が必要なものもあり、開封後の使用期限は製品ごとに明示されています。錠剤は常温で湿気を避けることを心掛けましょう。

製剤を見極め、服薬指導を正確に守ることで、アジスロマイシンの力を最大限に活かした細菌感染症治療が可能になります。用量や摂取法については医師・薬剤師または獣医師に必ず相談してください。