製紙業界は、紙の品質を決める填料（フィラー）および塗工顔料として、カオリンを欠かせない存在と位置づけている。その役割は「充填材」としての補強力と「塗工顔料」としての表面加工力の二刀流。特に高温焼成処理を施した焼成カオリンは、より高い白色度や微細な粒子径を実現し、印刷適性や生産効率に劇的な向上をもたらす。市場の高純度カオリンを安定供給している寧波イノファームケム株式会社の事例を交えながら、その実力を検証する。

紙の裏表を分けない不透明度、鮮やかな白色度

紙料（パルプ）にカオリンを充填すると、紙の内部空間に均一な微細層を形成する。これにより、光散乱が増加して不透明度が向上し、裏文字の“抜け”を抑制。さらに高白色度のカオリンは紙自体の輝度を高め、印刷色を忠実に再現する。紙単位面積あたりのパルプ使用量を抑えられるため、原料コストの削減にも直結する。

焼成カオリンが変える塗工紙の表層構造

焼成処理によって層状構造が剥離し、多孔質で緻密な表面層が形成される。結果として以下の効果が得られる。

  • 光沢度の向上 → 写真やグラフィックが鮮烈に浮き彫りに
  • インクの立ち上がりが良好 → 線幅が細く、網点がシャープ
  • インク透過を抑制 → 裏移りが少なく、裏刷り工程を簡略化

これはグラビア印刷やオフセット印刷で高解像画像を求める出版・包装分野において特に重要となる。

排水性向上でライン速度アップ

カオリンの無機・無反応性と円板状粒子は、抄紙工程での脱水を促進。乾燥時間を短縮でき、エネルギー消費を大幅に削減できる。さらに粒子径分布の均一性が高いことで、紙の平坦性や強度ムラを最小限に抑え、歩留まりの向上にも寄与する。寧波イノファームケム株式会社では、用途ごとに平均粒子径や焼成温度を最適化した豊富なグレードをラインナップしており、製紙メーカーは用途に応じた最適バランスの製品選択が可能だ。

同社は「高品質紙の常に先をゆく存在」として、カオリンのさらなる高機能化に向け開発を継続中。次世代の環境対応塗料システムにおいても、カオリンは重要な鍵を握る。