寧波イノファームケム株式会社は、高品位フッ素化合物とそれに付随する技術情報の提供を通じ、化学研究開発を支援しています。今回は、長鎖フッ素アルコールとして注目される1H,1H,13H-パーフルオロトリデカン-1-オール（CAS 423-72-3）を例に、現場で使える合成経路と分析技術の概要を整理しました。

合成経路は複数のステップで構成され、パーフルオロ鎖の精密導入がカギとなります。代表的なテロメリゼーション法では、パーフルオロアルキルヨード化物とエチレンオキシドを段階的に反応させ、続く還元工程で所望のフルオロアルコールを得ます。溶媒はベンゾトリフルオリドやジエチルエーテルが一般的で、パーフルオロ中間体の高反応性を制御するため、温度管理と脱水条件が必須です。

別法として、原料へのヨード化導入→トリブチル錫水素化物還元というルートも知られています。反応温度プロファイルや始発物質入手の容易さなどを総合判断し、最適経路を選択することが収率向上につながります。その後の精製工程では、シリカゲルカラムクロマトグラフィーや再結晶操作を併用し、99%以上の純度を確保します。

次に品質確認を行う分析・標定フローを示します。

  • NMR：¹H-NMRで末端メチレンと水酸基プロトンの信号をトレース、¹⁹F-NMRでフッ素パターンマップを取得し、パーフルオロ特徴ピークと合致性を確認。
  • GC-MS / LC-MS/MS：分子量（m/z 596）とフラグメントを確かめ、HRMSで元素組成 C₁₃H₄F₂₄O の正確質量を突合。
  • IR/Raman：-OH 伸縮帯と C-F 伸縮帯を重視し、分子全体の振動指紋を測定し重複確認。

これらの一連のプロトコルは、寧波イノファームケム株式会社が各ロットで実施する標準チェックリストに沿っています。高純度 CAS 423-72-3 の安定的な供給は、医薬・材料融合研究の推進を支える基盤となります。本化合物の取り扱いは、フッ素化技術の汎用性を拡大するヒントにもなります。