コカミドプロピルベタイン(通称:CAPB)は、ヤシ油とジメチルアミノプロピルアミンから得られる両性界面活性剤として、幅広い業界で高い評価を得ています。環境のpHによってアニオン性とカチオン性の両方を示すため、他の成分との相性が抜群で、さまざまな処方に柔軟に取り入れられる点が大きな特長です。

■パーソナルケアを中心としたメイン用途
CAPBは、シャンプー・ボディソープ・フェイシャルクレンザー・ハンドソープ・バスフォームなど、身近な製品に頻繁に配合される成分です。界面張力を下げて汚れや皮脂を包み込み洗い流す洗浄力はもちろん、きめ細かい泡立ちを長時間キープする効果から「上質な使用感」を印象づける役割も果たします。特に「低刺激性両性界面活性剤」として敏感肌用やベビーケア市場での需要が高まっています。

■洗浄以上の付加価値
CAPBには、毛髪の帯電防止や、洗髪後の指通り向上、皮膚コンディショニングによる保湿維持といった多機能な効果も備わっています。1つの原料で洗浄力と調理性を両立できるため、コストパフォーマンスに優れた処方設計が可能です。

■家庭用・工業用洗剤への展開
厨房や工場で使用される除油剤・洗濯洗剤・台所用洗剤・多目的クリーナーなどにもCAPBは活用されています。他界面活性剤との相性が良いため、高洗浄力と環境配慮を両立した“バランス設計”が可能です。また、生分解性が高く、環境負荷を抑えた製品づくりを目指す企業からも注目を集めています。

■特殊用途へも拡大中
近年では、ガス水和物生成促進のための助剤や、農薬製剤における展着・浸透助剤としての活用例も報告されています。

■安全性と供給体制
CAPBは低刺激性で、適正濃度内での使用であれば皮膚への影響が限定的とされています。ただし製造過程で副生する不純物(アミドアミンなど)が残留すると、皮膚刺激のリスクが高まるため、高純度品質を維持できる信頼できるサプライヤー選定が不可欠です。

総括すると、CAPBは洗浄・泡立ち・コンディショニング・低刺激性・生分解性といった相性の良い機能を高次元でバランスさせた、製品開発における必須成分と言えるでしょう。